ぼくのオンラインマナーのお師匠さん

今でこそ当たり前のオンラインモードのあるゲーム。

ぼくはポケモンダイパ辺りからそのモードが搭載されたゲームをやってきたが、実際にオンラインモードを初めて遊んだのはモンスターハンター4からだった。

当時のモンハン4はチート(データの改造)で生み出された「非正規のギルドクエスト」と呼ばれる狩猟が蔓延していて、野良に潜る=チートのデータに触れる可能性がある みたいな図式が成立しており、
フレンドからは「野良に潜ったらもうお前とは遊ばないからな!!」みたいなことを言われていた。

ただ、このフレンドの「このモンスターはこの装備じゃないとダメ!」「自分の言うことさえ聞いていればいいんだよ!」みたいな態度がなんというか窮屈で、
野良で潜った方がこのゲーム面白いんじゃないかな〜と思っていた矢先に出会ったのがぼくのお師匠さんだ。

当時は地雷プレイヤーのことを「ゆうた」と呼ぶ文化があって、師匠はそれを逆手に半手動アカウント「ゆうたbot」を運用していた。

ネタとして面白いなーと思ってフォローしていたこのゆうたbotだが、色々と話をするうちに「じゃあ中の人と一緒にひと狩り行ってみる?」と誘われ、初めてフレンドではない人と狩りに行ったのである。

そこでびっくりしたのが、こんな地雷丸出しなアカウントを運用しているのに中の人は至極真っ当で丁寧で、こちらがやられても「おのれラギアクルス!」とか言ってるし、装備にケチを付けたり死んだ時に責められたりしなかったのだ。

しかもめっちゃ上手かった。本人は「回避性能積んでるから当たらないだけだよー!」とか言ってたけど、回避性能積んでるからってモンハンのモンスターの攻撃判定がガバガバになる訳ではなく、ちゃんと回避のタイミングが分からないと絶対に当たる と知った新人ハンターが私だ。

死んでも責められなかったの初めて!って言ったら師匠はこう答えた。

モンハンでね、何か不都合なことがあったり、仲間が倒されたりしたら、とりあえず「おのれラギアクルス!!」って、とりあえずラギアクルスのせいにしときゃ良いんですよ。
ギスギスしながらプレイしても面白くねーもん。
だったらもうね、ラギアクルスには悪の化身として存在してもらえば平和だし。

Twitter – MHXXゆうたbot

正直、カッコイイなぁと惚れたのはここだけの内緒である。

ギスギスしながらプレイしても楽しくない。本当にそれはそう。

ぼくの中のオンラインマナーは、人に八つ当たりをするのではなく、ゲームシステムなどの理不尽な怒りをぶつけてもギスギスにならない物質にのみ一時的に怒る が基本となった。

だって、自分が弱いからとか、自分が足を引っ張ってるからとか、そう言ってる自分を想像するとめちゃめちゃダサいし、相手にそんな気持ちを抱かせながらプレイしたくないもんな。

先日のビッグビッグランもそうだったけど、僕は終始マテガイ放水路とクマサンの無能采配のせいにさせていただいた。

マテガイは言わずもがなビッグラン最高の最低最悪なステージだし、クマサン無能説についてはいわゆるブキ編成がランダムであることに由来している。

まずは同行者がゆるりと楽しめる環境、それが大事なのだ。

スプラトゥーンなんかは通話しながらやる機会が増えたし、本当に初歩的な心遣いが大事だよね って。

あの時の師匠に驚いたぼくのように、同じように「死んでも責められないの初めてだ」って言われるとすごく嬉しい。

師匠の教えを守れてるんだなって自信に繋がるので。

 

師匠は男漁りが趣味なゲ……の方なので、良い人ではあるんだけど人に紹介しづらい難点がある。

それでも、その観点を抜きに人に親切だし、親しい間柄の人は守ろうとする強い漢であった。それは確かだ。

 

ぼくが彼への想いを馳せて、新作のモンハンを一緒にやろーって声をかけに行こうとした時にはもう遅かった。

師匠は多分、もうこの世にいない。

少なくともTwitterは、オーバードーズをしたって更新を最後に止まっていた。

社会的弱者と分類される男性は、良い人が多いのにそれが実ることはない。

少なくとも、ぼくが見てきた限りでは。

 

ぼくが根無し草ですぐいなくなるくせに特定の一部を気にかけているのは、師匠のことを後悔しているからなのかもしれないな。